
校に留学生が存在すること、あるいは異文化紹介、交流をすることによって、留学の擬似体験による国際理解を深めることができ、国際交流の効果、評価を学校全体に拡散させることができる。 またもう1つは、ボランティアスタッフを通じての間接的なかかわりである。ボランティアスタッフの中心は交換留学を体験した子供本人あるいはその父兄である。彼らはその共有できる体験や考え方をもとに、水平的友好ネットワークを形成している。そのネットワークをそれぞれの地域社会に草の根的に拡大しながら、地域社会に国際交流の本質とその重要性を説いているのである。 (b) 小さな国際交流の会14) ?@組織のマネジメント 福岡市を中心に活動する小さな国際交流の会は、留学生と地域住民との文化交流を支援する団体である。1987年、ボランティア組織として発足した。当初、草の根的国際交流をその中心活動としていたが、最近では福岡に在住の外国人に対する日本語教育を主な活動とする団体へ変容してきている。 当会においては、スタッフは全員ボランティアである。現在スタッフは30〜35名程度で、教員経験者から主婦まで幅広い。特に代表者を含め、女性が中心となって活動を推進している組織である。 活動内容は主に日本語教育のクラスを開催することである。現在、受講生はアジア出身者が中心となっている。また、福岡県、福岡市の国際交流イベントの委託も受けており、「アジアの拠点都市−ふくおか」を掲げる福岡市への貢献、お手伝いの実践という行政の補完的役割に対しても意欲的に取り組んでいる。 ?A行政とのかかわり 小さな国際交流の会は日本語教室等の活動場所を行政から提供してもらっている、県内または市内の公共施設を、福岡県交際交流協会、福岡市国際交流センター、自治会等の紹介をつうじて、会場として利用している、しかし、会場獲得のプロセスは、特別に当会にたいして配慮されたものではなく、他の市民団体と同様、申込制によって公共施設を確保しているのである。現在、日本語教室を開催する場所の確保が必要と同時に、テキストや機材を保管しておくスペースがスタッフの個人的空間では足りず、ボランティアの集会、会議等のためも含めて、場所の確保に悩まされている。こうした場所を行政が提供できるかどうかが課題である。
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